「ビジネス会計検定」ってどんな資格?取るべき?徹底解説!

こんにちは、ぱおたです。
今日は、大阪商工会議所が主催している「ビジネス会計検定」の概要を解説していきます。私は2級に合格しています。
この記事を読んで「興味を持った」、「受験したい」という方がいたら、より具体的な問題解説や勉強法についても書こうと思います。

www.b-accounting.jp

目次

 

何を学べる?

「ビジネス会計検定」は大阪商工会議所が主催する、「財務諸表の理解力を養う検定試験」です。

「財務諸表の理解力を養う」とは、どういうことか具体的に考えてみましょう。
以下は例として株式会社セブンイレブン・ジャパンの第51期(令和5年3月1日~令和6年2月29日)の貸借対照表損益計算書です。
このような決算資料のことを「財務諸表」と呼びます。以下2つにキャッシュフロー計算書を合わせて「財務三表」と呼び、HPや株主総会で公開されます。

株式会社セブンイレブン・ジャパン第51期貸借対照表

株式会社セブンイレブン・ジャパン第51期損益計算書

これまで会計について学んだことがない方は資料を見ても「何が何だか、、」という感じだと思います。しかし決算資料には多くの情報が含まれており、企業を知るうえで欠かせないものになります。

例えば損益計算書の売上高(今回は営業総収入)と経常利益をもとに売上高経常利益率を出すと33.3%と出ます。売上高経常利益率は10%あれば十分に高いとされる指標ですので、今回の場合しっかりと利益を確保できている企業であることがわかります。

例では収益性を分析しましたが、安全性・成長性・効率性についても分析可能です。
試験ではより前提となる財務諸表の概要・見方や分析手法について問われます。

日商簿記との違いは?

会計資格の有名なものと言えば「日商簿記検定」が思い浮かぶ方も多いかもしれません。
では日商簿記検定とビジネス会計検定はどう違うのでしょうか。
これはビジネス会計検定試験のHPで分かりやすく解説されています。

日商簿記検定とビジネス会計検定の違い(大阪商工会議所ビジネス会計検定公式HPより)

大阪商工会議所によると、簿記検定は「財務諸表を作成する能力」を養う試験、ビジネス会計検定は「財務諸表を読む能力」を養う試験だそうです。
経理職の方以外は財務諸表を作成するより読むことのほうが多いと思うので、とっつきやすくて役に立つ試験かもしれません。

学んだことはいつ活かせる?

では「財務諸表の理解力を養う」ことはどのような状況のために必要となるでしょうか。必要になる状況は多くありますが具体的に3つあげます。

1,就職

1つ目は就職時です。自身が就職する企業が、しっかりと利益をあげているか、安定した経営をできているか知ることは自身のキャリアプランを考えるうえで重要になります。有名企業だから安定しているだろうと考えて入社したら、実は経営が火の車だった、、なんてことにならないために財務分析が役に立ちます。

2,取引先選定

2つ目は取引先の企業を調べる時です。なにか新しい事業を始める際、いくつかの企業から契約する企業を選ぶことがあると思います。主に、出された見積をもとに決定することになると思いますが、出された見積で本当に契約が履行できる経営状態なのか調べることが必要になるかもしれません。見積の安さに飛びついて契約したら相手企業が破産して多くの損を出した、事業が遅れた、、なんてことにならないために財務分析が役に立ちます。

3,株式購入

3つ目は株式投資をする時です。企業の株を買う際はその企業の経営状態を知る必要があります。株の配当状況や経営の安定性、企業の成長性を知ってから株を購入することで失敗するリスクを減らすことができるかもしれません。

試験概要

試験は1級、2級、3級に分かれており、1級は3月のみ、2級と3級は10月と3月に試験が行われます。

会場は17都市から選択できます。東北は仙台会場のみ、九州は福岡会場のみなので、在住地域によっては受験にかなり労力が必要になるかもしれません。

試験時間は1級が2時間30分、2級と3級は2時間です。1級と3級は午後開始、2級は午前開始で試験時間が被っていない級であれば、併願可能です。

受験料は1級11,500円、2級7,480円、3級4,950円です。

当日は受験票や筆記用具、身分証とともに電卓(計算機能のみ)を持ち込むことができます。

難易度・勉強方法

ここ数年の合格率を見ると、1級は20%台、2級は40%~50%台、3級は60%~70%台で推移しています。
そのため、2級と3級についてはそこまで難しい試験ではないと言えます。

ただ、実際に2級を受験して感じたことですが、
・ちゃんと理解して勉強しないと合格できない。
・試験時間はけっこうギリギリなので凡ミスに注意する必要がある。
と思いました。

 

勉強は公式テキストと公式過去問題集ですることになります。
少し分かりづらい部分もありますが、全体的に要点はまとまっているので何度もテキストを読んで、過去問題で対策しておけば合格可能です。

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役に立つ?取るべき?

結論から言うと

必ずしも資格を取る必要はないが、同内容の勉強はビジネスパーソンならしたほうが良い。

必ずしも取る必要はない

まず「必ずしも資格を取る必要はない」理由を説明します。

いくつか理由はありますが、「資格としての知名度が低く、就職活動でアピールになりづらい」ことがあげられます。資格を取る方の中には、就職活動のアピールに使いたいという方も多くいると思いますが、そういった観点ではほとんど役に立ちません。日商簿記のように応募条件になることもないですし、私が就職活動をした際は面接官でビジネス会計検定を知っている方のほうが少なかったです。もちろん、将来的に有名になるかもしれないから今のうちに取っておくというのもありですが、現時点では資格として役に立つことはないでしょう。

もう1つの理由として、「就職活動に使えない割に費用がかかる」ことがあげられます。私は2級のみ受験しましたが、2級を取得する場合、受験料で7,480円、公式テキストで2,530円、公式過去問題集で1,980円の計11,990円かかります。力試しで受験するには少し高いと感じてしまいます。

勉強はしたほうが良い

必ずしも資格を取る必要はないと書きましたが、試験内容はかなり役に立ちます。
前述したように様々な状況で学んだことを活かせるので、ぜひ決算の見方や財務分析については学んだほうが良いでしょう。


勉強内容は非常に有意義で資格の勉強をすることで体系的に学ぶことができるので、費用が気にならない方は受験するのもありです!

【番外編】大学職員でも役に立つ?

大学職員は一般的な営利企業で働いているわけではないですが、「ビジネス会計検定」の勉強をすることは仕事でも役に立ちます。

大学も毎年決算資料として財務諸表の公表が義務付けられています。企業会計と学校会計では違いも多くあるため、知識をそのまま活用することは難しいですが、学校会計の勉強と組み合わせることで有意義な学びになります。

まとめ

今回は「ビジネス会計検定」の概要や役に立つかについて解説しました。
書いた通り、非常に役に立つ内容の試験なので興味を持った方はぜひ受験してみてください。
独学での勉強が難しい場合には、公式の講座や資格スクールの使用も検討してみてください。
問題解説なども見たい!という方がいたら今後記事を書くかもしれないので、ぜひコメントしてください。

お読みいただきありがとうございました。